2023年の漢字は「税」
激動の2023年も残り8時間を切りました。
今年もあまりいいニュースがなかったような気がします。
グッドニュースとしては、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束に向かったことでしょうか。5月8日から感染症法の分類でインフルエンザウイルスと同じ5類に変更になり、国民の行動様式がおおきく復旧したことです。この鎮静に大きく貢献したのがメッセンジャーRNAに立脚したワクチン開発だったと考えられます。そのことは今年のノーベル生理学・医学賞の受賞として顕彰されたことは記憶に新しいことです。5月8日は偶然ですが当クリニックの開院日になりました。
一方、バッドニュースは沢山あります。世界では非日常の戦争が日常的に行われているのは悲劇そのものです。ウクライナ侵略は2年近きになっても終わる気配はありません。加えて歴史上の問題であるユダヤ人とアラブ人の間に存在するパレスチナ紛争が再び激しい戦争として勃発したことです。戦争で被害を受けるのは一般市民であり、死亡者が何万人という数字になったと報道されるのは痛哭の極みです。犠牲になった若者のなかには世界を変えるような偉大な人物になった可能性もあるわけで、その喪失は地球規模の損失にほかなりません。1日も早い戦争の終結を願ってやみません。
日本国内に目を転じても政治の腐敗をはじめ暗いニュースばかりです。少子高齢化は待ったなしの現状です。物価も上昇し続け、各種の税金も上がる一方です。今年の漢字も「税」に決まりました。2014年に消費税率が5%から8%に引き上げられて以来の選抜のようです。
ところでこの「税」の字ですが、分解すると禾偏(のぎへん)に八と兄から作られています。八は2つに分ける意味、兄は目上の人が祝詞(のりと)を入れる器をかかげている姿で、収穫した穀物を分けて神に捧げていると解釈されます。「脱」は衣服を脱いで体を捧げている姿、「説」は自分の思いを説いている姿、「悦」はこころを開いて悦に入っている姿と解釈できます。「八ba」の字は中国では発財facai(財を成すの意味)の「発fa」と発音が似ていることで縁起が良く、日本では末広がりのイメージから縁起が良い字とされています。
2024年こそは末広がりに発展する日本になりますように祈りながら新年を迎えたいと思います。