◆看護師エコーを始めます
2025/7/26~27に荒川区荒川にあります東京都立大学キャンパスにおいて第7回日本POCUS学会が開催されました(https://us-lead.com/jpocus17/)。POCUSというのはPoint-of-care ultrasonographyの頭文字で、医療機関で患者受診時に速やかに行う超音波検査です。典型的には救急外来受診時に施行されることが多いです。たとえば急にお腹が痛くなってクリニックに行き、そこで腹部エコーを検査するなどが該当します。胆石嵌頓や尿路結石症、水腎症、急性虫垂炎などイメージしやすいと思います。迅速に診断して応急処置や基幹病院への紹介が可能となり、患者さんの救命にも大きな役割を果たします。現在では意味する内容がもう少し広がり、緊急でなくともクリニックの外来で行う超音波検査について指すようになりました。
さて、今回の学会の目玉は、超音波検査を看護師にも広げようという試みについてのシンポジウムでした。実際介護の領域では訪問診療の際に、褥瘡の重症度を調べたり、残尿の有無を調べたり、直腸内の便状況から適切な緩下剤を処方したりあるいは摘便したりすることは広く行われていると思います。ただし、今回の学会から浮かび上がった問題点としては、① 超音波検査の教育を受けた看護師が少ないこと、② 周囲からの理解と支援が十分でないこと、③ ポータブルエコーの普及(高価です)が今一つであること、などがあるようでした。今後は「医師の働き方改革」との関係で医師とタスク・シフト/シェアすることが勧められており、看護師エコーはこれまで以上に促進されることは間違いないと感じました。
当院ではこのような現状を先取りするかたちで、2025年の8月から当クリニックの看護師に一部の超音波検査をお願いすることにいたしました。最初は、院長とOJTを行い、習熟したところで独り立ちすることになります。ただし、検査した画像は必ず院長が確認します。まったく危険を伴わない範囲ですのでどうぞご安心ください。待ち時間の短縮にもつながると思います。
看護師エコーとしてふさわしい内容としては、現在以下のものを考えています。どうぞご理解のほどよろしくお願いいたします。
