◆第27回日本骨粗鬆症学会に参加して
2025/09/12~14は幕張メッセにて日本骨粗鬆症学会が開催され、骨粗鬆症についての最新知見について活発なディスカッションがされました(https://www.congre.co.jp/jos2025/)。参加者はなんと5,985名だったとの報告があり、実際会場は参加者でひしめきあっていました。印象的だったのは女性の参加者が多く、聞くところによるとOLS (骨粗鬆症リエゾンサービス)やFLS(骨折リエゾンサービス)という包括的な支援サービスを行う職種のかたがかも多数参加しているためで、医師以外に看護師・薬剤師・栄養士・理学療法士など多くの職種の方が勉強しておられました。整形外科では骨折ドミノを防ぐためにStop at Oneというスローガンを掲げています。一方の内科は、1本も骨折させないと言う点に注力しています。両者の考え方やアプローチなどが微妙に異なるものの、お互いの価値観を理解しながら骨粗鬆症・骨折に悩める患者さんに最善の医療を提供しようとする点は一致していると思われました。
今回学んだ最新知識の要点について列挙します。
- 40歳以上の国民で、男性410万人、女性1,180万人で高齢化とともに増加中
- うち治療を受けているのは10~20%に過ぎない
- 高齢者の要介護の原因の15%以上が転倒によるもので認知症、脳血管障害と並ぶ
- カルシウムは1日700~800 mg、ビタミンDは600~800単位は常に摂取する
- ビタミンD不足は98%、欠乏は80%と深刻である
- 骨密度の定量はDXAがゴールドスタンダード(当院は手指のDIP法)
- かかとの超音波検査による診断は正確さにかける
- (体重-年齢)÷5が-4以下だと骨粗鬆症は重篤
- 薬物治療はアナボリックファースト(テリボン®、オスタバロ®やイベニティ®)でその後、骨吸収阻害薬につなぐ
